お茶事や初釜、お茶会などでは、濃茶が出されます。
茶事においては、濃茶が最も大切なもてなしとされています。
薄茶との違いは、なんといっても数人で一椀を回し飲みすることです。
この飲み方は、千利休 が 吸い茶 として確立させたといわれています。
一つの茶碗で「共有する」ことによって、結束を図る、誓い表明といった意味もあるようです。
客の所作 濃茶のいただき方
亭主からお茶が出されたら・・・
①正客:茶碗を取りに行きます。
②正客:座に戻り、茶碗を自分と次客の間の縁内に置きます。
③客一同:総礼をします。
④正客:お茶を一口いただきます。
亭主:「お服加減はいかがでしょうか?」
①正客:「大変結構でございます。」と返礼して、二口半いただく。
②次客:三客に「お先に」と一礼する。
③正客:お茶をいただいたら茶碗を縁内に置き、古茶巾で茶碗の口を拭き清め、茶碗を正面に回し戻します。
④正客・次客:それぞれ一膝ずつ向き合い、茶碗を手渡しします。
⑤正客・次客:一緒に正面に戻り、送り礼・受け令をします。
⑦正客:次客の一口いただいたら、
「ただいまのお茶銘は?」
「お詰めは?」
「全席では大変美味しいお菓子を頂戴いたしましたが、お菓子の銘は?」
「ご製は?」
「ありがとうございました。」
※亭主は、正客の問いに対して返答します。
客の所作 茶碗の拝見
①正客:末客がお茶を飲んで茶碗を下に置いたら、
末客に「お茶碗の拝見を。」と請う。
②末客:飲み口を清めて、茶碗の正面を正し、正客の前に持っていく。正客に正面を回して出す。
③正客:次礼をし、茶碗の拝見をする。
④正客・末客 拝見の終了後、末客は正客との出合いで茶碗を正客に返す。
⑤正客:茶碗を回して正面を正し、出された場所へ返す。
茶碗の問答
茶碗の拝見後、正客は茶碗について問います。
正客:「お茶碗は?」
※亭主は返答します。
銘がない場合もあるので、正客からはなるべく聞かないようにします・・・!
客の所作 茶入・茶杓・仕覆の拝見
正客:亭主が水指の蓋を閉めたら、
「お茶入・お茶杓・お仕覆の拝見を。」
亭主:茶入を清め、茶杓・仕覆を縁外へ配置します。
正客:亭主が襖を閉めたら、茶入・茶杓・仕覆を取りにいきます。
次礼をして、茶入・茶杓・仕覆の順に縁外に出し、拝見をします。
拝見をしたものから、つぎつぎ次客へ送ります。
末客:拝見を終えたら、出合いで正客へ返します。
正客:出された方と反対の向きに、道具を返します。
道具についての問答
正客:「ありがとうございました。」
亭主:返礼
正客:「お茶入れのお形は?」
正客:「お釜元は?」
正客:「お茶杓のお作は?」
正客:「ご銘は?」
正客:「お仕覆のお裂地は?」
正客:「お仕立ては?」
正客:「ありがとうございました。」
※亭主は、正客の問いに対して返答します。
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