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7月に入りました。

梅雨も明け、釣瓶水指を使ったり、七夕といえば梶の葉を使った葉蓋点前など、涼しさを演出するお点前が行われたりします。

7月の御名を集めてみました。

 

 

空蝉(うつせみ)

 

 

蝉のぬけ殻のことで、蝉の命の短さにかけて短い命、はかない人生という意味をもつ。

 

源氏物語の一つにも、

 

空蝉の 身をかへてける 木のもとに

 なほ人がらの なつかしきかな

 

空蝉の 羽におく露の 木がくれて 

しのびしのびに ぬるる袖かな

 

光源氏十七歳。

空蝉の残していった小袖の元で休もうとしますが、源氏は眠れず、歌を詠みます。

空蝉は、夫を持つ身として源氏を受け入れられない耐えがたい思いを、源氏が歌を書き贈ってきた紙の片端に記します。

空蝉が身を変えて、そして去ってしまった木のもとに立って、

なお、その人柄がしみじみと懐かしく恋しく思われることよというふうな歌です。

 

 

 

 

落文(おとしふみ)

 

 

落とし文とは、公然とは言えないことや秘かに想う恋心を伝えるために、伝えたい人の近くに落として拾わせた置手紙のことです。

オトシブミが夏にクヌギやナラなどの葉を丸めて巻物状にするのが、よく似ていることから名づけられました。

和菓子にも、よく登場します。

 

 

 

 

鳴神(なるかみ)

 

 

歌舞伎の市川團十郎家の「歌舞伎十八番」の1つです。

朝廷に恨みを持つ鳴神上人が、竜神を滝壷に封じ込めたことにより干ばつが起こります。

朝廷は雲の絶間姫(くものたえまひめ)という美女に上人を堕落させ、竜神を解き放つよう命じます。姫は上人を誘惑して酒で酔いつぶし、竜神を解き放って雨を降らせます。やがて目を覚ました上人は、姫に欺かれたことを知り、怒りの形相で姫を追いかけます。

 

 

 

白雨(はくう)

 

夏の午後に降るにわか雨、夕立のことです。

 

 

 

御禊(みそぎ)

 

陰暦6月晦日(みそか)に、諸社で行う夏越(なごし)の祓(はらえ)の行事のこと。

 

風そよぐ ならの小川の 夕暮れは

みそぎぞ夏の しるしなりける

 

藤原家隆

 

楢の小川には風がそよぎ夕暮れ景色なのですっかり秋の風情だが、

禊をやっている人びとが見えるから6月30日で夏の証だ。

 

現在は、6月30日に行われている神事ですが、本来は旧暦です。

 

 

 

 

片陰(かたかげ)

 

日陰。特に、夏の午後に家並みなどの片側にできる日陰のこと。

 

 

 

 

夕凪(ゆうなぎ)

 

海辺での現象。

夕方、海風と陸風の入れ替わる時の無風状態のことです。

瀬戸内のような内海でよく見られるそうです。

 

 

 

青苔(せいたい)

 

 

小堀遠州が松花堂昭乗から掛軸を貰った返礼に贈った茶杓。

『伊勢物語』第78段によれば、山科の宮に右大将藤原常行が紀伊国千里の浜の風情に富む石を差し上げた時、在原業平が青い苔を刻んで、あたかも蒔絵のように

 

あかねども 岩にぞかふる 色見えぬ 

心をみせむ よしのなければ

 

と詠じて奉った故事を踏まえたもの。

深々とした色に青苔を連想して銘としたものと知れる。

 

裏千家大宗匠、千玄室が命名した、鶴屋吉信さんの干菓子(琥珀糖)にもあります。

 

 

 

鵲の橋(かささぎのはし)

 

 

七夕の夜、牽牛(けんぎゅう)・織女の二星が会うとき、カササギが翼を並べて天の川に渡すという想像上の橋。

男女の契りの橋渡しのたとえにも用いる。

 

 

その他にも、天の川織姫など七夕に因むもの、風鈴水中花涼舟など涼しいイメージのもの、

鬼灯市のような7月の行事を連想するものなどが使われます。

 

 

 

 

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