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茶道では、茶道具などを鑑賞する『拝見』があります。

特に茶碗は、茶の湯では欠かせない物です。

茶人とは、茶碗に唯一無二の芸術性を求めるもので、意匠や細部のこだわりなど、個性美を探求するものです。

今回は、入門での茶碗の拝見ポイントです。

 

 

 

 

三井八郎右衞門邸・茶室『望海床』

 

 

 

 

 

茶碗の歴史

 

 

※ここでは、入門という前提で簡単に話が進みます。

歴史通の方は、飛ばして下さい!

 

茶を楽しむ文化は、1200年以上前から歴史があり、その時代それぞれの美意識も投影されています。

 

平安時代前期には、唐物(中国製)の青磁白磁などが珍重されていました。

 

鎌倉時代になると、中国から喫茶法が伝わり、武家文化にも浸透します。茶碗も南宋~元時代に流行した、『天目』が流行しました。『天目』は現在でも親しまれています。

 

室町時代中頃では、『天目』の中でもあまり人気のない地味な『灰被天目』が注目され、名物になり高価なものになりました。

 

 

桃山時代では、千利休により高額になりすぎた『天目』に代え、創作茶碗が広められました。

 

その後、日本各地の窯は、それぞれの作風を持ち、創作茶碗を作り出していきました。

 

茶碗を工芸から芸術に変化したと言われています。桃山時代の陶工職人が、茶碗の裏側にあたる高台まで創意を凝らしました。

その為、高台は重要な見どころとなり、茶碗を拝見する際は、茶碗を裏返し鑑賞するといった習慣が生まれました。

 

 

 

高台の種類

 

 

割高台

 

三日月高台

 

竹の節高台

 

撥高台

 

切高台

 

兜巾高台

 

二重高台

 

碁笥底(ごけ)

 

 

 

 

茶碗の種類

 

 

唐物茶碗

 

唐物とは、中国から伝わった工芸品の総称です。

 

◎曜変天目(ようへんてんもく)

 

◎玳皮盞天目(たいひさん)

 

 

 

 

高麗茶碗

 

「冷え・凍る・枯れ・寂び」という表現を標語にし『茶道』誕生しました。

その審美眼は、朝鮮の無名の焼物にも注がれました。

 

◎井戸茶碗(いどちゃわん)

 

◎雨漏茶碗(あまもりちゃわん)

 

◎青磁筒茶碗(せいじつつちゃわん)

 

 

 

 

樂茶碗(らくちゃわん)

 

聚楽焼の総称。千利休の美意識が盛られた茶碗。

千利休が京都の陶工長次郎に指示をして焼かれたのが、樂茶碗の始まりです。

 

◎黒樂茶碗

 

◎赤樂茶碗

 

 

 

美濃焼(みのやき)

 

岐阜県土岐市・可児市を中心とした焼物。

瀬戸の分派であったため、愛知県の瀬戸焼の名前を使用。

 

 

◎瀬戸黒茶碗(せとぐろちゃわん)

 

◎志野茶碗(しのちゃわん)

 

◎黒織部茶碗(くろおりべちゃわん)

 

 

唐津・上野・薩摩焼

 

桃山時代になり、途絶えてしまっていた九州地方の新規産業復興として、窯が築かれました。

 

◎絵唐津茶碗(唐津焼)

 

◎白濁釉茶碗(上野焼)

 

◎朝鮮唐津茶碗(薩摩焼)

 

 

 

任清・乾山茶碗(にんせい・けんざんちゃわん)

 

江戸時代になり、京都が窯が主導を発揮するようになります。

洛西の御室焼の野々村仁清・その弟子の尾形乾山が発展させていきました。

 

 

◎銹絵染付槍梅文茶碗

(さびえそめつけやりうめもんちゃわん)

 

◎色絵鱗波文茶碗(いろえうろこなみもんちゃわん)

 

 

 

茶碗の鑑賞ポイント

 

 

雨漏(あまもり)

 

高麗茶碗・萩焼茶碗に見られる。

亀裂や茶渋が経年変化をおこし、器面に生じた滲み。

 

 

 

貫入(かんにゅう)

 

陶器の特徴でもあり、磁器には少ない。

粘土と釉薬の収縮率の違いから、釉面に亀裂が生じる。

 

 

 

梅花皮(かいらぎ)

 

梅花皮とは本来、日本刀の柄に使われる鮫の皮の事ですが、様子が似ている事から呼ばれます。

高台に掛けられた白い長石釉が縮れて粒状になったもの。

 

 

 

縮緬皺(ちりめんじわ)

 

粘土の削り後が皺になって現れた部分。

高台や高台内に見られる。

 

 

刷毛目(はけめ)

 

黒釉を刷毛で塗った部分。

磁器より陶器に見られる。

 

 

 

掻き落とし(かきおとし)

 

志野焼に多い。

化粧土を皮膜し、掻き落として模様出す意匠法。

 

 

 

 

 

茶碗の扱い方

 

 

①お点前をいただいた後、茶碗を縁外に置きます。

②手をついたまま、茶碗の全体の形を観ます。

③右手で茶碗横を持ち、左手で支え、両肘を膝に預け、低い位置で持ち、見込み・茶溜まりなど茶碗の内側の様子を鑑賞する。

④手で触れた茶碗の質感や感触も味わう。

⑤掌で茶碗を動かしながら、外側を拝見する。

注意:高い位置に持ち上げない。

⑥次客の間に茶碗を置き、一礼する。

⑦主人に返す時は、茶碗正面を亭主に向け、元の位置に戻す。

 

 

 

 

表題「討死のための討死」

 

 

 

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