先週のお稽古で、『茶箱』を拝見させていただきました。
『茶箱』とは、
点前道具一式を収納して持ち運びするための箱の事です。
利休居士が大善寺山で野がけの茶会を催されたときに、尻ぶくらの茶入を茶箱に入れて仕込まれ用いられていたという記録があり、これが茶箱のはじまりとされています。当時は、旅先でお茶を一服できるように点前道具一式を仕組んだ携帯用のものでした。
茶箱点前の種類
茶箱は、雪、月、花、卯の花の四季折々の点前があります。
卯の花点前
卯の花点前 (うのはなてまえ)は、雪・月・花点前を簡略化したもので、『茶箱の平点前』と称されています。
雪点前
雪点前 (ゆきてまえ) 伝物点前で、冬の間のお点前です。
盆を使わず、掛合を用います。
月点前
月点前は、11代玄々斎が冬・春・秋に寄せて創案された、中の秋の伝物点前です。
器据を最大限に活用し、ウグイスを用います。
花点前
花点前は、11代玄々斎が春に寄せて考案された、伝物点前です。
掛合がなく盆を用います。
和敬点
和敬点(わけいだて)は、14代淡々斎が創案した卯の花点前と雪点前を調和させ簡略したものです。薄板を用います。
茶箱点前の中でも、取り組みやすいものです。
色紙点前
色紙点(しきしだて)は、14代淡々斎が創案したものです。御所籠を用いた点前で、圓能斎が御所内で御用箱を愛好されたことから、淡々斎が御所籠と称し、新たに作られたものです。
古帛紗最大限に活用して、4枚の古帛紗と茶巾箱などの道具の配置が色紙を散らしたように見えることから、色紙点前と名付けられました。
※画像は引用させていただいております。

本当に色紙のようだ。
茶箱の道具
季節によって変わる、茶箱点前。
お道具を拝見するのも楽しみのひとつです。
茶箱点前は、、裏千家11世玄々斎によって「雪月花」・「卯花点」が考案されたこともあり、裏千家に好みが多くあります。
茶箱の中の道具は、
通常の平点前のお道具、茶碗・建水・茶杓・茶筅・香合・棗(または茶入れ)、茶箱特有の茶巾筒・茶筅筒・掘り出し(干菓子を入れるもの)があります。
『矢筈板は、心地よきかな。』
鶴首が一升瓶に見えますよ・・・!
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