お茶の扇子には、利休百首が描かれていることが多いです。
『利休百首』とは、千利休が、茶道の精神、点前作法の心得などを、初心の人にもわかりやすく、記憶しやすいよう、三十一文字に和歌にして、百首集めたものです。

主よ、覚えられるのかい?
いいえ!
自信ありません・・・!
しかしながら、意味を理解できていると、だいぶ入り方も違うと思うのです!
利休道歌 意味
『利休道歌』は『利休百首』ともいって、千利休(せんのりきゅう)の教えをはじめての人にもわかりやすく、おぼえやすいように、和歌の形にしたものです。
100首は覚えきれないので、少しづつ・・・。
意味を大まかにまとめてみました。
その道に入らんと思ふ心こそ
我身ながらの師匠なりけれ
利休道歌のはじめに詠まれ、学ぶ者の心構えがしるされています。
それは茶道に限らず、学ぼうとする気持ちをしっかりと持つことが大切であり、自分で学ぼうとする心こそが上達への第一歩であるということを示しています。
茶の湯とはただ湯をわかし茶を点てて
のむばかりなることと知るべし
茶の湯は決して難しいものではなく、お湯をわかしてお茶を点て、まず神仏に供え、お客様に差しあげ、そして自分もいただくという、日常生活をもとにしていることを教えています。
四規 [和敬清寂]
この4つの文字の中には、すべてのお茶の心がこめられているといわれています。
『和』とは、お互いに心を開いて仲良くするということです。
『敬』とは、尊敬の敬で、お互いに敬いあうという意味です。
『清』とは、清らかという意味ですが、目に見えるだけの清らかさではなく、心の中も清らかであるということです。
『寂』とは、どんなときにも動じない心です。
利休七則
茶は服のよきように、炭は湯の沸くように、夏は涼しく冬は暖かに、花は野にあるように、刻限は早めに、降らずとも雨の用意、相客に心せよ。
茶は服(ふく)のよきように ―心をこめる―
「お茶は心をこめて、おいしく点てましょう」という意味です。
「服のよきように」というのは、舌の先でおいしいと感じることだけでなく、一生懸命に点てたお茶を、客にその気持ちも味わっていただくという、主と客との心の一体感を意味しています。
炭は湯の沸くように ―本質を見極める
炭に火をつけさえすれば必ずお湯がわくとは限らず、湯がよくわくように火をおこすには、上手な炭のつぎ方があります。しかし、そのつぎ方を形式だけでのみこんだのでは火はつきません。本質をよく見極めることが大切です。
夏は涼しく、冬は暖かに ―季節感をもつ―
茶道では季節感を大事にし、表現します。
夏ならば床に「涼一味」などのことばをかけたり、冬ならば蒸したての温かいお菓子を出すなど、自然の中に自分をとけこませるような工夫をします。
花は野にあるように ―いのち尊ぶ
「花は自然に入れなさい」ということですが、「自然そのままに」再現するというのではなく、一輪の花に、野に咲く花の美しさと自然から与えられたいのちの尊さを盛りこもうとすることに真の意味があります。
刻限は早めに ―心にゆとりを持つ―
「時間はゆとりを持って早めに」ということですが、ゆとりとは時間を尊重することです。自分がゆったりした気持ちになるだけでなく、相手の時間を大切にすることにもなります。そのときはじめて、主と客が心を開いて向かいあうことができます。
降らずとも雨の用意 ―やわらかい心を持つ―
「どんなときにも落ちついて行動できる心の準備と実際の用意をいつもすること」が茶道をする人の心がけであることをいおうとしています。どんなときにも「適切に場に応じられる」自由で素直な心を持つことが大切です。
相客に心せよ ―たがいに尊重しあう―
「相客」というのは、いっしょに客になった人たちのことです。正客の座にすわっている人も末客の席にいる人も、おたがいを尊重しあい、楽しいひとときを過ごすようにしなさいと利休は説いています。
茶々丸つれづれ
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